チェック編集後記 この本はブログ仲間、みんなで作ったハンドルネーム:両国の隠居 『両国のご隠居さんの日記を拝見しました。出したい本があります。共同出版を持ちかけられたのですが、○○万円というお話です。到底、そんなにお金は出せません。ご隠居さんの本のように出来るだけ安い経費で作りたいのですが……』 ある日、このようなメールが飛び込みました。送り主はリボンリボンさんとなっています。 私は『ちょっと本を作っています』のタイトルでブログ(日記形式のホームページ)を書いています。 元々はこのブログ、別に本の作り方を紹介するようなホームページではありません。ところが、昨今の共同出版ブームです。最近は隠居を気取っていたのですが、私のブログの掲示板に共同出版についての質問や書き込みが相次ぐようになりました。 その背景には、本を作りたい人の増加と、共同(自費)出版業者のあくなき利益追求があります。 懸賞募集や「本にする原稿を探しています」と銘打って本を作りたい人を集め、共同出版の名前で本を書く人に多額のお金を出させる方法です。 このままでは出版業界そのものがおかしくなる。本はもっと安く作れる。読者の存在を無視して、本を出したい人を誑(たぶら)かしてまで本を作らせるなんて見過ごせない。 ブログへ寄せられた方の質問を元に、私なりの意見をブログに連載してきました。 それをまとめたのが『38万円で本ができた』という本です。わずか38万円でも本が出来るという実例を示したのです。リボンリボンさんはその本を見たようです。 早速メールに添付して原稿を送ってもらいました。ブランド品にもネットショッピングやオークションにも丸っきり興味のない私です。その私が原稿に吸い寄せられるように、一気に読みました。 インターネットの裏側で繰り広げられる偽ブランド品業者の暗躍。そのことに半ば目をつぶって出店料や手数料を稼ぐオークションサイト。 一人の平凡な主婦が、おかしいことをおかしいと書いただけで攻撃を受けるインターネットの世界。これは本にしなければ出版屋として悔いが残る。 でもこの原稿のままでは本にしても誰も買わないし、誰も読まない……。 私はブログで呼びかけました。読者の立場でリボンリボンさんの原稿をチェックする人、本文のイラストを描いてくれる人、カバーのイラストやデザインをやってくれる人を募りました。 「そうだ、もっと多くの人のコメントやアンケート結果も収録しよう。校正する人も編集する人も必要だ。出来た本を宣伝する体制も必要だ」 多くの人が協力を申し出て下さいました。会ったこともないブログ仲間です。それも全国に散らばっています。 コメントやアンケートに答えて下さった人も含めると、協力者は、国内はおろか世界中へと広がりました。 紙面の都合で、ここには直接この本の制作に関わった方々のハンドルネームを載せることしか出来ません。 みなさん、ありがとう。やったネ。 ちなみにこの本は初版3,000部を60万円程度で作りました。皆さんがボランティアで協力して下さったお陰です。 ウルトラ・シンデレラ(広島) 佃島ひとり書房(東京) 似顔絵屋ofude(福井) nn☆(北九州) ぽんぽこおぐら(京都) リボンリボン(大阪) |